強引な政略結婚が甘い理由～御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない～

玉城さんから、真夜が倒れて入院したと聞いたとき、一瞬、頭の中が真っ白になった。

そして、母のことが頭に浮かんだ。

私が幼い頃から入退院を繰り返していた母。

容態が安定したかと思えば、突然悪化して手術になり、回復したかと思えば、精密検査でまた違う場所に悪いところが見つかって。そんなことが繰り返されて、私が十七歳の頃に亡くなった。


だから、真夜が入院したと聞いたとき、すごくこわかった。


こわくてずっと手が震えていた。

今もあの状況を思い出すとこわい。


早く真夜の入院が終わってほしい。

精密検査の結果も悪いところは何もなければいい。


真夜を失うかもしれないという恐怖が身体から抜けていかない。


不安や恐怖で胸の中が支配されて、今は息をするのも苦しい。


……そうだ。

私は、この感覚をよく知っている。