強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
好きだよ……



広々としたリビングに置かれたL字型のソファ。その背もたれに寄りかかりながら、いつの間にかうたた寝をしていたらしい。

目が覚めてからふと視界に入ったダイニングテーブルには、いまだ手つかずのままラップにかけられた一人分の晩ご飯が置かれている。

……真夜まだ帰ってきていないんだ。

どうやら帰宅を待っている間に眠ってしまったらしい。

時刻は二十三時を過ぎている。真夜は今日も仕事で帰りが遅いのかもしれない。

結婚して一ヶ月。

そういえば、朝食はわりと毎日一緒に食べているけれど、晩ご飯は数えるほどしか一緒に食べていないことに気が付いた。

大きなホテルの総支配人である真夜の仕事は忙しそうだし、仕事関係の付き合いも多そうだ。

けれど、帰宅が遅くなるときはいつも必ず事前に伝えられていた。

それなのに今日はこんな時間まで何も連絡がない。

もしかして、私がメッセージを読み忘れているのかもしれない。

そう思い、スマホが置いてあるローテーブルへ手を伸ばして確認するけれど、やっぱり真夜からのメッセージは届いていなかった。

何かあったのかな……。

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