強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「やだってばっ!」

気が付くと、私は片手で真夜のことを思いきり突き飛ばしていた。

そんなに強い力ではなかったのに、事に及ぼうとしていた真夜がすっかり油断していたせいか、私に突き飛ばされた真夜の身体がベッドから落ちてしまった。

「いってー」

「あっ、ごめん」

そんなつもりはなかったのに、どうしよう。

私は慌ててベッドから起き上がる。床に落ちた真夜を確認すると、座り込んだまま頭を押さえていた。

「大丈夫?」

そっと声を掛けると、頭を押さえていた真夜の手がわしゃわしゃと髪の毛をかき回す。

「わかった。それじゃあ水族館とかどうだ」

「水族館?」

「リフレッシュするんだろ」

どうやら分かってくれたらしい。

ひとまずこれで身の危険は回避できて、私はホッと胸を撫で下ろした。


それから私たちは朝食をとり、出掛ける用意をすませると、マンションの地下にとめてある真夜の愛車の白のスポーツカーに乗り込んだ。

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