ストロベリーキャンドル
不倫の天罰




私が結婚を申し込まれた日、
七海は部長に事の顛末を全て話してしまった。


当然、私は好奇の目にさらされ、
責任を取って追われるように退職せざるを得なかった。


でも、仁はそんな形で私が辞めるのは腑に落ちないと言って、
なんと結婚の発表をして、寿退社として私を送り出した。


少しでも私の気が楽になるようにという、彼の気遣いだった。


それでも当然、私を祝福してくれる人は少なく、
どうしても気まずくはなったけれど、私はそれでもよかった。



自分のしたことは悔い改めなくては。
それに仁がいてくれたら、何も不安なんかなかった。





結婚式には、会社の人は勿論出席しなかった。
だからお互いの近しい友人と親族だけの、
ささやかな式になった。


彼は私にそのことを謝ってくれたけれど、
私のせいだから何も言えない。


むしろ彼の方に申し訳ないと思って謝ったら、
それは気にしなくていいと言ってくれた。


「モリノ」の美奈さんにも報告して、祝ってもらった。


結婚から新婚旅行、
引っ越しと、全てが順調に進んでいった。




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