君のとなり。
私のクラスでの立ち位置は、
どう表現したらいいのか分からない
くらい微妙なもの。

別にいじめられているだとか、
そういうわけじゃない。

ただ、少し笑い者にされるだけ。
それがいじめなのかどうかと問われると、
周りの皆は違うって言うだろう。

この時間、教室には誰もいない。
1人きりの教室は、私にとって少しだけ
居心地が良くて、でもどこか寂しげで。

教室に入って時間割りを見ると、
国語Aの横に百人一首大会と書かれていて
ぐっと気分が落ち込んだ。

優劣のつくゲームは嫌い。
クラスのみんなが寄ってたかって
私のことを馬鹿にするから。

それが少し、寂しくて、苦しいから。
静かに鳴り響く秒針の音を聞きながら
教室の電気を付けてカーテンを開けた。

窓際の席は、春先になると
ぽかぽかして暖かいから嫌いじゃない。
でも、今は冬だし。
窓際は外の冷気でひんやりと肌寒かった。

机から英語の教科書とノートを取り出して
宿題になっていたノート写しを始める。
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