君のとなり。
「ごめん。わざわざありがとう。」

「今日、辛かったんじゃねぇの?
それに今日だけじゃない。春瀬は
周りに優しすぎるんだよ。」

鳴海くんの少し低い声。
それを聞きながら私は小さく笑う。

「捨てられたく、ないの。
優しくしなきゃ捨てられるから。
もう2度とあんなことには...」

そこまで言いかけてハッとした。
危ない、言っちゃうところだった。

「あんなことって?」

鳴海くんの問いを笑いながら誤魔化す。

「ううん。なんでもないよ。」

「そっか。話したくないならいいよ。
話したくなったら言って。」

私の気持ちを察して引いてくれた
鳴海くんの優しさが、嬉しかった。

「ほんとに、ありがとう。」

「ううん、いいんだよこのくらい。
んじゃ、切ってもいい?おやすみ。」

「おやすみ、鳴海くん。」
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