美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~

ヤンデレ1号

「疲れた~」

自宅に帰り着いた瑠花は、早々にシャワーを浴びてパジャマ変わりのジャージに着替えるとベッドに大の字になった。

朝からの朔也の奇襲に始まり、湯川店長との再会と副社長夫人の牽制。

しまいにはエマとミカ、雅樹に心晴まで・・・登場。

夕方帰宅したときには、瑠花のライフゲージはギリギリまで削られていた。

ふとスマホを見ると、SNSメッセージや電話の着信マークが点灯しているのが見える。

おそらく今日会った知人のうちの誰かだろう。

瑠花はうんざりして確認もせずにスマホの電源を切った。

今時珍しいと言われるが、瑠花の家には固定電話がある。

両親からの緊急連絡なら、こちらにも連絡が入るはずだから心配はいらない。

会社には固定電話の存在は知らせていないから、万が一にも雅樹や朔也からの連絡は入らないに違いない。

もしもの時のために、スマホのメールアドレスからパソコンに会社からの連絡だけは飛ぶようにセットしておこう。

瑠花は眠い目を擦りながら、パソコンメールの受信設定をしなおしデスクトップ画面をスリープにした。

「そうだ、インターホンも切っておこう」

今朝の朔也がしたような襲撃を何度も喰らってはかなわない。

瑠花は、万が一に備えて頭を働かせることのできた自分を内心誉めた。

そうしてようやく短いような長かったような一日が終わる・・・。

瑠花は吸い込まれるようにベッドにうつ伏せになると深い眠りに落ちていった。
< 103 / 164 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop