美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「まあまあ、ミカの言うことは置いといて・・・。それよりも問題はトライアル男子よね。そして狸や爬虫類、副社長とわがまま女王・・・。どうやって退治するかが問題」

すっかりTL小説の作者か読者気分のエマに笑いが出る。

「うん。商品開発部から左遷された今、狭間部長と但馬課長がこのまま黙っているとは思えないの。頼みの綱は心晴さんなんだけど、なんとか穂積部長との間を取り持って欲しいんだけど・・・」

意図せず心晴の名前を口にしてしまい、瑠花の胸がキリリと傷む。

だが、これは初恋が破れた痛みであって、今の朔也を思う気持ちではない。

瑠花は必死で自分にそう言い聞かせていた。

「・・・・。」

「何よ、ミカ、言いたいことがあるなら聞くわよ?」

「瑠花は対人関係を上手く取り成すことが苦手なことは良く知ってるけど、それでも後悔だけはするなよ」

思いがけないミカの優しい言葉に、瑠花は目を見張りつつも大きく頷いた。

「そうだね。トライアル男子・・・もとい穂積部長も、エマやミカと同じで私の恩人であることには変わりないもの。・・・って、ねえ?トライアル男子ってアダ名だけど、お試し商品みたいだって店長にからかわれたんだけど、二人もそう思ってた?陰でビッチ認定されてたとか・・・?」

「今さらだろ?変なあだ名つけるなあ、って思ってはいたけど、瑠花がビッチなわけない。それは俺たちが一番よく知ってる」

「ありがとう」

ミカの言葉に、周囲は瑠花に合わせてくれていたんだなと分かり恥ずかしさでいたたまれなくなった。

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