初恋エモ

4






クノさんの曲につけたベースはほとんど直され、ミスしては怒られ……が続いているものの、落ち込む暇はなかった。

とにかく練習し、彼に必死にくらいついていた。


学校生活に家のこと、アルバイト。日常は相変わらずぱっとしない。

でも、変わったことがある。

日々が過ぎるのがあっという間になったこと。


「よっしゃ! やるぞー」「おー!」


気がつくと期末テストが終わり、体育祭本番。


夜の方が活発的になっているせいか、じりじり照り付ける太陽がやたらまぶしい。

楽しそうに競技にのぞむ生徒たちも。


「うわー全然打てないわー」

「あはは! ドンマイ!」


点を取ったり取られたり、和やかな雰囲気でソフトボールの試合は進んでいく。


そもそもルールすらよく分かっていない私。

ボールを打てるわけもなく、取れるわけもなく、完全に足を引っ張っている。


「間宮ちゃん、落ち着いて! 大丈夫だから」

「はい!」


バッターボックスに入ると、クラスメイトが声をかけてくれたが……。

あーあ、というため息と同時に、ストライク、バッターアウト! という審判の声が響いた。

しかし順調に勝ち進み軽々予選を突破。


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