横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜

・雨の海岸で

あさってから二学期なのに、あたしの気分はブルーなまま。

どこで聞いたのか、事件を知ったウッシーからメールがきてた。

《あさっては学校来れそう?》



たぶん行く

そう返事を
送ったけど…


行けるかな?
学校でうわさに
なってるかな?


ゆううつだなぁ…



コンコン!

柊にぃが部屋をのぞく。


「いい?」

「うんうん、どうしたの?」

「今日さ、
 バイトの休み取ったんだ。

 で、前に言ってたじゃん、
 ふたりでどこか行かない?」

どこかって…どこだろ?
でも、楽しそう!


「行く行くっ♪」

あたしは二つ返事でOKした。

「きっと気分転換になるよ」
柊にぃが言った。


そうだ、いつまでもくよくよしたり、こわがってても仕方ないもん。


ママもおばあちゃんも、誰もかれもがあたしを、はれ物をさわるように扱う。
気を使ってるんだろうけど…


早く普通に
戻らないとね!


あたしは
大きく深呼吸して
よそゆきに着替え始めた。
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