横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
「ウッシー!?」

イヨォ!
と、ウッシーは手をあげる。

急いで階段を下りる。

「どしたの!?」

「近くの球技場でさ、練習があったんだ。
 確か家この辺りだったなぁと思って、
 携帯鳴らしたんだけどつながらないし、
 ウロウロしてたらワーゲンが通りかかって…

 実は前に学校で
 これに乗ってるトコを見かけたことあったから」

オーディションの時だな。

「信号待ちしてたらさ、
 いきなり窓を叩くんでびっくりした」
柊にぃは言った。


「事情を話したら車に乗せてくれたんだ♪
 助かりました。おにいさん!」

お、おにいさん??

勝手に呼ぶんじゃねぇ〜!!

あたしは心の中で叫んだ。


「オマエまた電池切れしてるんだろ」


柊にぃ、当たりです。
< 84 / 244 >

この作品をシェア

pagetop