Rainy day
本格的に乗るのは。

まだ先だけど。

今、ここにいる幸せはどう表現していいのかわからない。



「そーちゃあん」

幼稚園年少組の祥太郎が帰りに彩子さんと一緒に店に立ち寄って、俺に抱っこをせがむ。

「祥太郎、もう幼稚園に入ったのに、まだそーに抱っこしてもらうか」

社長は苦笑いをしていた。

「もう、いなくなんない?」

祥太郎はそう言って俺の頬にキスをした。

「うん、いなくなんないよ」

祥太郎は俺の顔をギュッと抱きしめる。



「そーちゃん!!」

入院している間に小学校3年になっていた拓海。
身長が少し高くなっていた。

学校からの帰り、店に寄ってすぐに俺のところへ来てくれた。

「おかえり」

「…うん、ただいま」



本当に、泣きそうになった。

俺にはちゃんと居場所があるんだ。
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