蛍火に揺れる
でもトイレットペーパーで拭き取ったものは、少しだけ湿る程度のもの。

……いや、待てよ。

私はもう一度トイレットペーパーを当てると、さっきと同じぐらいの湿り具合。もう一度当てても同じぐらい。
これは……絶え間なく何かが溢れている、ということなのか……?

私は慌てて股にナプキンを挟んで産科の病院へ電話をする。
破水なのか確信を持てない……そう言うと「念のため入院セットを持って来てください」と。
私は陣痛タクシーを登録してある場所に電話をかけて、到着するまでにのんびりと入院セットにプラスするものの準備に取りかかった。



*****

結局病院に付くまでにも溢れてくる何かは止まらずに、病院に着いた頃にはナプキンにはじんわりと湿るぐらいの量になっていた。
そして早速診てもらった結果、やはりこれは破水らしい。

すぐさま着替えさせられて、腕に抗生剤の点滴が入れられる。

そして破水したから入院する旨を伝えたノリ君からは、バンバンと着信が来ていた。
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