あなたの心臓になりたかった
福祉コースの先輩は、日本が超高齢社会であるということや、福祉コースで学ぶことなどを話していた。その顔は、笑顔で見ていて虚しくなってきて……。

地獄のような発表会が終わった後、私はその場に固まってしばらく動くことができなかった。



放課後、ホームルームが終わるとすぐに私は教室を出る。普段はこのまま帰るんだけど、今日は行かないといけないところがある。

私は、いつも独りだ。小さい頃から人を信頼することができず、友達という存在を作ったことがない。否、作り方がわからない。

周りの好きな音楽や小説、話題を楽しいと思えない。だから、いつも孤立してしまう。でもいいんだ。こんな私と一緒にいても、迷惑をかけるだけだから……。

「こ、こんにちは……」

保健室の隣にある空き部屋に私は入る。すると、ソファに明るい色のショートカットの女性が座っていた。服装は、シンプルなデザインの青いワンピースで、見ているだけで落ち着く。
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