雪に咲く華
『龍斗くん!龍斗くん!』
『葵!紘もいたよ!』
『早く倉庫に連れ帰って手当てしないと...。車こっちに回して!』
雨の中、視界に広がる赤。中心に倒れてる2人はピクリとも動かなくて、怪我をしていないはずの私がうまく息できないくらい動揺した。
どうやって帰路についたのか覚えていないけれど、
『治療終わったよ。龍斗も紘も命に別状はないから安心して』
かろうじて聞こえたその言葉だけが、私の理性を繋ぎとめた。