かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 その子の名は、野原香花(きょうか)ちゃんという、まあ可愛らしい名前だった。
 そんな子がうちのクラスにいたのなんて、私は知らずにいた。
 まだ新学期始まってまもなくといったところにしても、だ。
 香花ちゃんは大人しくて、内向的な性格だという。
 そのせいか去年の1年生だった頃から、未だにこの学校に友だちはいないらしい。
 それとなく仲良くなってくれないか、と、高野先生は言った。
 友だちのいない学校なんて、灰色の生活だろ、と。
 いじめられてはいない、いじめに発展したら俺が出るんだけど、と先生。
 いじめでもないのに教師がしゃしゃり出ると、“ひいきされてる”なんて逆にいじめになるかもしれないからな、と。
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