かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 祐太を忘れさせてくれてありがとう。
 縮こまった家にまで踏み込んでくれてありがとう。 
 純との恋愛を進ませてくれてありがとう。
 感謝の言葉しかない――。

 彼らたちから離れた、体育館前の雑踏で。
 私は薄いブルーの空を仰いだ。
 息を吐く。
 もう、白くはない。
 こころはいつも、この胸にある。
 もう私、16歳になったよ――。来月からは高校3年生になるよ。
 遠い空の彼方にいる、祐太の笑顔をそこに見た。
 霞ゆく、にっこりと笑ったような雲が流れて行く――。
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