君に出逢えたこと、忘れない。
「おはよう涙愛ちゃん」




「おはようございます」




先生が私の部屋に朝から来ることは珍しい




もしかして、昨日のことを私にも打ち明けてくれるのかな、




「どうしたんですか?」




私は首をかしげながら先生に問いかけた




「今日は涙愛ちゃんに大事な話があるんだ」




そういって私の病気の進行について話をしてくれた




余命のことをのぞいてだけど……




「それで涙愛ちゃんに1つ提案があるんだ」





「退院しないかな?高校も合格してせっかくだから通信じゃなくてちゃんと通いたいだろ?」



えっ……



まさかそんなことを言われると思ってなくて固まってしまった




昨日は余命の話をしていたから退院なんて思ってもみなくて




これから毎日、家で過ごせるの、?



学校に自分の足で毎日通えるの、?




こんなこと夢にも思ってなかった




「ほんと…ですか?」




「うん、ほんとだよ」



「ウゥ…」



泣かないって昨日決めたばっかりだけど、、




この涙は嬉し涙だからいい、よね?





家に戻れること、お母さんとお父さんと毎日過ごせること、高校に行けること、全てが嬉しくて涙がでてきた









これが私に残された『自由』だった。
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