うるせえ、玉の輿。
四、休憩タイム



気まずい沈黙の中、私とジョージさんは向かい合って自分の足を見つめていた。


「あの……すいません。俺、日ごろから体動かすのが好きで」
「仕事で重いもの持つのに、更にジムに行くんですね」

さっきの、ジョージさんを悪役と決めつけて一方的に暴言を吐いた私に、申し訳なさそうに話しかけてくるけれど、さっきのは私の言い方は最悪だった。

当の本人である業平が、着替え終わったら三人でご飯食べましょうとか言うから、帰るに帰れないし。


「さっきは、その、すいませんでした。業平のことになると、つい攻撃的になってしまうというか」
「あはは。傷つきました。やはり麻琴さんは業平さん以外、眼中にないんだなあと」
「そんなことない。業平の言う、玉の輿の相手には、きっと無理してでも私、会話する、かも。する、はず、……石油王レベルなら、きっと」

どんな男が現れてもちゃんと対応する気が起きないのは気のせいではないはず。

「お二人とも、おまたせ」

ちゃっかりシャワーを浴びた業平が現れる。
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