伝えたい。あなたに。"second story"

同窓会の影

“同窓会はこれますか?"


いまだ何も返信せずに、放置していたからか、痺れを切らして幹事がメッセージを送ってきていた。


いつ退院できるかもわからないのに、とため息をつく。


"いかない。"
 

そういう選択は簡単だけれど、社会から次第に孤立していくような恐怖感があった。


この先も病院の中でずっと生きていくわけじゃない、色んな人と、色んな場所で生活するなら、トラウマばかりを増やしている場合ではないと、頭ではわかっている。


職務質問事件だって、言ってみれば、原因は私にあった。きちんと受け答えをすれば、こんなことにはならなかったかもしれない。


病弱でかわいそうな子だから、皆んな悪者にはしないけれど、きっと警察官もいつも通りのスタンスで行ったのが、たまたま悪く出ただけだろうと。


人は叩かれて強くなる。

きっとそれが理(ことわり)だろう。
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