ねえ、理解不能【完】









これ以上は、一緒にいられない。




別れないよ、ってゆうは言ったけれど、こんなことになった今じゃ、そのセリフはもう無効だ。

責められる明白な非があるのは、ゆうだ。なんて、客観的にそんな分析をした自分のことが、少し怖かった。




私はベッドに仰向けになって、慎重にメッセージを打つ。




『別れてください』




一緒に並んで歩いた帰り道も、ゆうの爽やかな笑顔も、二人で過ごした休日も、抱きしめてくれた時のゆうの暗闇も、私の心の大切な部分にはない。

はっきり、そう認めるべき時なんだと思う。



自分勝手で、最低最悪な私。だけど、真っ直ぐだ。

別れる口実に傷つけてくれてありがとう、なんてそんなことまで微かに思ってしまいながら、メッセージの送信ボタンを押す。


恐怖に包まれたままのほうが可愛げがあったな、なんて。人間ってなんでこうも醜いのかな。




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