初恋してます。
・第五章

梅雨がやっと明け、連日のごとく暑い日差しが照りつける。



蝉の合唱、真夏のご到来。



窓から見える澄んだ青空、今夜は天の川がきっと綺麗に見られるに違いない。



よりにもよって、7月7日の七夕の日に風邪を引き、高熱を出して家で孤独な時間を過ごしているのは私ぐらいだろうかと思った。



午後4時、しんと静まり返っている自宅、早朝から風邪で体調を崩している私以外は今は誰も家にいない。



家にいるとベッドで横になりただ時間だけが流れ、何もしていないことがもったいないように思えてきて。



私の部屋をぐるりと見渡せば気になることがあれもこれも目に入る。



読みかけのコミック。



散らかっている机の上。



部屋の隅っこに溜まっている綿ぼこり……。



普段の自分の生活の中でいつもなら全く気にならない物がこんな時に限ってよく目に入ってしまうのはなぜだろうか。



中途半端になっている物たち、見てみぬふりをするのは嫌で、少し手を出してみようと試みるが、熱を出している時はなかなか思うように体が言うことをきいてくれない。



酷い頭痛、それに頭が重い、加えて体の節々も凄く痛い。



ベッドの中で今はゆっくりと体制を変えるのがどうやら精一杯のようだ。



すると突然、インターフォンが鳴る音が聞こえた。



こんな時間に誰だろう。

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