俺はお前しか好きになれない。
▷ ▷ ▷



「風邪引くから帰ろうぜ」と立ち上がって私に手を差し出す。一瞬フリーズした私を見て、また悪態をつく。


「え……?」
「察しろよバカ」

「バカってなによ!バカ」



あまい雰囲気なんてすぐに終わってしまうけれど、それでいいと思える自分がいた。ほんとうのキモチを知れたから、そして私も伝えられたから、満足だった。

たまにほんとうにたまにでいいから、ちゃんと自分のキモチは伝えたいと心から思った。




私も悪態をつきながら差し出された手に自分の手を重ねると、手を繋いだだけなのにドキドキして、だいすきが溢れ出す。



「朱音」
「なに?」

「次の土曜日どこか行こうぜ」
「え……?それって……」

「ふっ、デート」
「わ、わざわざ言わなくていいから……!!!」




照れた顔で昨夜を見上げると、フッと笑って私の頭をぽんぽんと撫でる。うぅ……悔しいけど、うれしい。ぎゅっと握った手を離さないように強く強く握る。

もう離れたくないし、離したくない。また距離が離れないように、いや、もっと縮まるように一緒にきみと時間を重ねていきたいと思う。




「可愛いな、お前」
「なっ、うるさい……!」





私たちの恋はこれからも不器用に続いていく。








fin
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