校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
……こんな近くに仲間がいたとは。


「今隠したやつ、侑李がおすすめしてくれたから読んだ」
「ほんとに!?」



姫莉ちゃんは本棚にへばりつく俺に後ろからぎゅって抱きついてくる。
そして後ろからすーっと手が伸びてきて、隠したのも虚しく、本棚の奥から可愛い表紙が見える。


……胸、めっちゃあるんだけど。
え、背中にあたる胸が146センチの子のじゃないんだけど……。


……ムラつくのが思春期男子の性。


「これのねー、3巻の41ページが好きなんだよね、あ、ほら、ここ」


姫莉ちゃんは俺に体重を預けたまま、ページを開いて見せてくれる。
俺としてはそれどころじゃないけど、姫莉ちゃんは嬉しそうだから、じっとしてる。


それから10分ちょっと、そのままで百合の話を聞いていた、恥ずかしい。
…え、今まで、こーゆーことなんとも思わなかったのに。
なんなら裸で抱きつかれたって軽く流せたのにさ……。


「……恥ずかしい」
「ん?」
「いや、なんもねーです」


姫莉ちゃんはだらーんっと俺の背中から降りて、床にでろーんと伸びる。
スカート、中見えそ。
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