リベンジ学園
(教室にある机の中は全部調べた。

それに床や壁も見落としはないはずだ。

だとしたら、どこにスイッチはあるのだろう?

もしも私がスイッチを隠すとするならば……)



どこを探してもスイッチを見つけられない晴江はタイムリミットに焦りながらも、静かに目を閉じ、どこかに隠れているスイッチを心の中で探していた。



自分がゲームの主催者ならば、スイッチは見つけられるかどうかのギリギリのラインで隠すだろう。



だとしたら、スイッチは普通なら見えざるどこかに隠れている。



まるで子供がイタズラで物を隠すときみたいに。



「晴江、時間がないよ。

もう少しでマップ内の赤いランプが移動するよ」



晴江は早苗の言葉に答えるよりも先に、自分のひらめきを信じて、教室の壁に貼ってある掲示物を片っ端にはがし始めた。



晴江の心の声が見えざる場所に目を向けよと言っていた。



そしてタイムリミットが訪れる30秒前、晴江は掲示物の後ろに隠れていた赤いスイッチをようやく見つけた。



「ハハハッ。

見つけたよ、生神亮治が隠したスイッチを。

絶対に見えざる場所にあると思ってた。

このゲームは私の勝ちよ!」



晴江はそう言うと、勝ち誇った笑みを浮かべて、見つけ出した赤いスイッチを押していた。
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