リベンジ学園
「紗栄子と智恵は友達だった。

本当は二人とも、ずっと友達でいたかったに違いない。

それなのに、二人の気持ちはすれ違った。

クラスで起きたいじめが原因で。

紗栄子は自分を裏切った智恵を憎みながらも、きっと心の奥のところで智恵を憎みきれなかったんだと思う。

紗栄子には智恵の本当の気持ちがわかっていたから。

紗栄子は図書室で二人が話したあのときに、野村智恵を許したんだ」



祐子は一馬の話を聞いて、最後に糸が切れた操り人形のように、急に意志力をなくした紗栄子の気持ちを理解した。



そしてあのリベンジゲームの悲劇を作り出したヒロイン、小原紗栄子の本当の姿が見えた気がしていた。



紗栄子はきっと普通の中学生でいたかったのだと思う。



みんなと同じように明日への希望を持っていたかったのだと思う。



紗栄子はきっと自分の未来だけが暗闇の中で閉じていくのが悔しかったのかもしれない。



もしも西条学園中学の3年2組の教室でいじめがなかったなら、紗栄子は今、どんな中学生活を送っていただろう?



祐子はそんなことを思うと胸が苦しくなって目を閉じた。



小原紗栄子のような悲しい中学生が、これからは出て来ない世の中になって欲しい。



世の中の中学生が等しく未来に希望を持てるようになればいい。



自分は西条学園中学で行われたこのリベンジゲームを絶対に忘れない。



科学の進歩がもう二度とこんな悲劇を生まないように。
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