彼女と私の見分けかた
「…服部くん?」

テーブルの上に置いていた俺の手に小さなひんやりした白い手が重なり違和感が確信に変わった。

「…なんでお前がここにいるんだよ藤咲」

「えっ…?何言ってるの服部くん…」 

「お前藤咲だろ?…なんでお前がここにいるわけ」 

怒りが沸々とこみあげる。
二人にからかわれてたのか、俺…。

ムッとして目の前の藤咲をにらみつけると

「すごい!よくすぐに菜月じゃないってわかったね!
愛の力ってやつ⁉」

と無邪気にくすくす笑っている。

「服部くんになら安心して菜月をまかせ…」

藤咲が背にしていた窓ガラスに驚いた顔をしてたちつくす菜月ちゃんの姿が見えた。

重ねられたままの手を振り払い、立ち上がったのと彼女が何かを叫んで駆け寄ってきたのは同時だった。

俺の怒りは藤咲から菜月ちゃんに向けられ、冷たい目で彼女を見つめて冷たい言葉を投げつけた。

好きだったから彼女に裏切られた。
そう思うと悔しくて辛くて胸がとんでもなく傷む。

やっぱり女になんて興味持たなきゃよかった。
菜月ちゃんも周りにいる女たちと一緒だとがっかりしたのだ。
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