彼女と私の見分けかた
「美月!もうっ!聞いてる!?
…菜月ってばっ!」

耳元で名前を呼ばれてはっとする。

「どういうことなの?
体育館に行きながら教えてよね」

私たちも服部くんを追うように体育館に向かいながら、沙弓にも私が今日美月と入れ替わって学校に来ている理由を話した。

「ふーん、毎朝一緒の電車なんだぁ。

でも今日のあんなに女の子と話す服部くん、初めて見たよ?

そもそもいつも女の子は近寄るなオーラだしてて、にこにこ笑ってるの初めて見たよ!

あれっ…?

でも……美月…だと思ってるよね…」

沙弓の言葉にうかれていた気持ちが一気に凍りついていく。

そうだ、彼が見ているのは菜月じゃなくて美月なんだ…。
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