波瀾万丈恋物語

降りしきる花びら。

憧れの制服は、心地がいい。 不思議と、春風が本当にピンク色に見える。

これから始まる三年間に想いを馳せ、妄想する。
きっと私は、これから沢山迷う。そして沢山泣く。
そして沢山立ち止まる。走る。

そんな沢山が、まだ残っている。楽しいことだって沢山、始まる。まだ何も、始まっていない。自分次第の

高校生活が始まる。

私、笠井海夏子はまだ何も知らない。

これから始まる高校生活が、どんな物になるのか。
たった一人の存在が、彼女にどれだけの影響を及ぼすのか。

知る由もなかった。
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