苦労年齢
それから、すぐに本社研修の日程が届き、本社に向かう準備をする。前日入りだった。新幹線で2時間半くらいで着くが、不安でしかない。
同期何人いるのか…研修の宿泊先は一緒なのか…
ーーーまっ、本社行けば挨拶するかっーーー いろいろ考えながら指定のホテル到着。
ーーーなっなにぃ?ここっ!!?ーーー
びっくりするほどの老朽化したホテル?なのか…あれはホテルか。名前が、ホテルと付いているから、ホテルだろう。
他に誰かいるのかも不明。
廊下の電気は薄暗く、今にも電気が切れそうな。廃墟を肝試ししている感覚だ。
物音ばかりしそうな薄い壁なのに、何一つ隣の部屋の音がしない。
少し汚い壁に、木のベッド。ドレッサーなんてオシャレな事は消して言えない、だだの木の机。鏡なんてあるわけがない。昔祖母の家にあったような電気スタンド。やたらとスイッチがデカい。ガチガチッと音ばかり立派だ。
私は恐怖でしかなく、コンビニに行く余裕もなく、その日は部屋から一歩も出る事が出来なかった。
前職の訳ありの彼にすぐさま電話し、恐怖でしかない私は寝落ちするまで話しこんだ。
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