苦労年齢
泣きながら、何分話しただろう。
マネージャーも泣いていた。
いくら話してもダメだと思ったのか、了解してくれた。
「さくらは、どこでも働ける。どこでも欲しがる人だ。個人的にはすっげぇイヤだけど、仕方ないか。」
「…すみません…。」
そう言いながら、マネージャーは、私の頭をぽんぽんとしては、ずっと撫でていた。
泣きに泣いていた私は抵抗出来ず、されるがままに、頷く事しか出来なかった。
「…本当に、ありがとう…ございました…。」
ようやく言葉にできた。
「いいよ。気持ちはわかった。ありがとうな。さくら。ごめんな。」
その、今更救いようのない「ごめんな。」の、一言が深く重く、私の心臓に捻りこまれた。
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