ごめん。ぜんぶ、恋だった。


私がいないとダメになる。

その言葉の意味を、私は痛いほどわかっている。

だって私も柊がいないとダメだから。


「私、柊の彼女になりたい」 

「うん」

「なってもいいの……?」

「いいよ。たくさん待たせたけどちゃんと付き合おう。それで、俺とずっと一緒にいて」 

「……柊……っ」

大泣きする私のことを柊は優しく抱きしめてくれた。


柊に想いが届くまで何年かかっただろうか。

長くて長くて、どうしようもなく遠かったけれど、もしも生まれ変わってまた柊と幼なじみをやることになっても、私はまた柊を好きになる。 

だって、柊に恋をしてない時間なんて、私にはいらないから。


「腹へった。お前が言ってたハンバーグがある店に行こうよ」

私の涙が落ち着くと、クリスマスツリーは赤色に変わっていた。

それは私が柊に恋をしている色に似ている。 

「ん」 

柊がなんの躊躇いもなく手を出す。私はそれをぎゅっと握って、店があるほうへと歩きだす。


「ねえ、柊。プレゼントに腕時計を選ぶってことが、どんな意味だか知ってる?」

そう聞くと、柊はふっと笑った。


「さあ、どうかな」

こうやって素直じゃない柊のことも私は大好きなんだと思う。


どうか、来年も再来年もずっと柊の隣にいられますように。


私はこれからも、きみと同じ時間を刻んでいく――。

< 139 / 139 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:40

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

心にきみという青春を描く

総文字数/164,187

青春・友情298ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
*――――――――――――――――* 先輩は不透明な絵の具を好む。 水に溶けずに、筆を置いた瞬間から 乾いていくブルーをまるで魔法のように描く そんな先輩は好む絵の具とは反対に 透明で水に弱く、触れた瞬間から 壊れてしまいそうなぐらい繊細な人だった 美術室の扉を開けたあの日から――。 私の心のキャンバスには 永遠に色褪せない、なぎさ先輩がいました。 *――――――――――――――――* 2018・8月16日/完結
紫陽花が泣く頃に

総文字数/81,825

恋愛(純愛)130ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
きみがこの世界からいなくなって この町では雨がやまない まるで誰かが泣いているかのように 今日も空から降り続けている *既存作品* 「きみとなら、雨に濡れたい」のリメイクです。
きみとなら、雨に濡れたい

総文字数/86,161

恋愛(純愛)164ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
きみがこの世界からいなくなって この町では雨がやまない。 まるで誰かが泣いているかのように 今日も空から降り続けている。 * : 2018/6月16日/完結、公開 2019/5月24日/ノベマ!オススメ掲載

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop