~君が教えてくれるなら~



屋上までの階段をかけあがり扉を開ける。





____いた!!




朝陽くんはくるっと振り返り私だと分かると
「よ!」と無邪気に笑った。



何だかここにいていいよって許されてるみたいでその笑顔に少し心がふわっとなった。



朝陽くんの近くに座って「またサボり?」と聞いてみる。



「ちげーわ!今昼休みだろ!」
そう言って私の頭を軽くコツンっとした。




うわーーーー/////////
なんだ今の!!!



きっと向こうは気にもとめてない行為だったのだろうけど、私は妙にドキドキしてしまう。



「羽柴は?」




「えっ、私は……朝陽くんの歌聴きに来たの!」



「俺の歌?」



「うん。この間の続き。ちゃんと最後まで聴きたいって思って…。」



いってる途中で馴れ馴れしい気がしてきて口ごもると「あんなんでよければ」と言って朝陽くんがこの間の歌を歌い始めた。



低くてでも、落ち着くような歌声は私の心に真っ直ぐ響いてくる。




この歌ってこんなにいい歌詞だったんだなぁ



お兄ちゃんに教えられたときはそんなこと思ってもなかったけど。



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