ご利益チョコレート


横恋慕するつもりもないし、少しの間は気まずいかもしれないけれど、仕事には差し支えないように頑張る。


止まっていた涙がまた盛り上がり、視界を揺らがせる。


「しふ!!」


伊吹が伸ばした手はほんの少し届かず、本堂の扉の外、足を踏み外したわたしは見事に5段ほどの石段を下まで落ちてしまっていた。
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