忍君のセカンドラブ~歳の差30歳以上~

「フェアディー…愛しているよ…」

「私も…愛しています、忍さん…」


 潤んだ目で見つめ合って、そっときすをする2人。


 今日は月がいつも以上に輝いて見える。


 まるで忍とフェアディーを祝福しているかのようだった。








 翌日。


 カーテンの隙間から朝日が差し込んできて、忍はうとうとと目を覚ました。


「朝か…」


 ふと隣を見た忍。


「あれ? …」


 フェアディーの姿はなかった。


 あたりを見ると、フェアディーの着ていた服はなかった。






 身支度を整え、忍はリビングへやって来た。


 だが誰もいない。


 窓際の観葉植物が、いつも以上に元気そうに見えた。


「どこに行ったんだろう。…帰ったのか? 」


 
 家の中を探してみたが、フェアディーの姿はなかった。



 
 ふっとため息をついて、忍はソファーに座った。

「ずっと一緒にいてって、言ったのに。どうして黙っていなくなるんだ? 」


 
 天井を見上げて、忍はフッと笑った。


「結局…1人になってしまったのか…」


 素直に気持ちを認め合えた。

 そう思った。


 繋がって愛を確かめ合えたと思った。


 だがフェアディーはいなくなってしまった。




 テーブルの上に、綺麗な透明の羽が一枚落ちている。


 茫然となってしまった忍はまだその羽に気づいていなかった。



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