お嬢様と呼ばないで

5 そして二日目


「おお。どうじゃ、昨日は」

「おじいちゃん。ハミガミがヒゲについているよ?」

「おおすまん!?」

朝の食卓。

孫娘に指摘された岩鉄はあわてて輪ゴムで髭を結び納豆が入った碗を持った。


「それにしても聞いたか?わしの祝辞を、とう!」

「うん!みんなも聞いていたよね……よいしょ!」

「大したもんじゃろう、わしの人気は……く!」

2人は今朝も納豆をこれでもか!とかき混ぜていた。

こうして朝食を済ませた2人であったが、美友は早早に学校に行くと話した。



「早すぎじゃろう?」

「私は支度が遅いからいいの。それに歩いて行くことにしたから」

体力をつけたいし、混んでいるバスよりも歩いたほうが気分が良いと話した美友は、元気良く家を出た。


「何やってんだよ」

「おはよう!疾風君」
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