お嬢様と呼ばないで

6 点呼!点呼!点呼!


「みなさん、おはよう。本日は体力測定をします」

この担任の日永の話を聞いていた美友はひそと疾風に尋ねた。



「疾風君、体力測定ってなあに?血圧とか血糖値を測るの?」

「それは健康診断!まあ、黙って女子について行けよ」


そんな1年1組の女子達はジャージに着替えてゾロゾロと体育館にやってきた。

まだ仲良しグループができていない新入生女子達は隣で着替えた人と楽しくおしゃべりしながら体育館へ移動していた。

誰もがこんな気楽な友達関係が一番理想的な環境だと感じながら風が吹いてくる体育館にやってきた。






「遅―い!5分前行動だぞ!」

体育教師の張り切り山下はジャージの襟を立てそう言って整列させた。


「点呼だ!点呼、開始!」


そう言われた女子達は、先頭の女子から順に1!2!と叫び出した。


どんどん呼ばれる数字にプレッシャーを感じた美友は、自分の番の9の点呼で声が裏返ってしまった。


「ひゃ?く」
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