TWO YEARS
美月(みづき)ちゃん、僕と付き合ってくれないか?」

卒業式の日、悠也くんに言われた。でも・・・。

「ごめん。3ヶ月後に渡米するの。2年、帰ってこない。語学留学するの」

「知ってる・・・。だから、期間限定、6月まで、ってことで、ね?」

「そんなの、本気になれないよ」

「本気に、させてみせる。僕も本気で君を好きになる」

「どこから、その自信、出てくるの?」

悠也くんとは、高校1年生から3年連続で同じクラス。自然に仲良くなった。でも、恋愛感情なんて、湧きあがらなかったのに。それに、悠也くんは2期連続生徒会長をしていて、女子にはなかなかの人気だ。仲の良いあたしが悠也くんとの仲を取り持ってほしい、と頼まれたのは、10本の指では数えきれない。それでも、悠也くんは3年間誰ともつきあわなかった。3年間誰ともつきあわなかったのは、あたしも、だったんだけど。
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