俺のボディガードは陰陽師。
「妖化だって、ただの人間の死霊が一人で勝手に妖化するなんてあり得ないんだ。その第三者が、死霊が望みもしないのに勝手に妖怪しようとしてるんだよ!」
なずなは度々興奮して会話に入ってくる。
「勝手に喋るな」と、とうとう菩提さんに後頭部をぺシーン!とビンタされた。
「ぎゃっ!」と悲鳴をあげた後、頭を抱え込んでずーんと落ち込んでいる。
メンタル強いのか弱いのかわからない…。
「とりあえず、鹿畑倫子さんが妖怪となってしまうと、大変です。…このままですと、伶士くんが命の危険に晒されるでしょう」
「…えっ!」
突然宣告された命の危機に、変な声をあげて反応してしまった。
俺が…?
命の危険に晒される…?
「妖怪の類いは、人間の魂や血肉を好んで食します。これだけ伶士くんに執着してるんです。その魂や血肉をも狙うというのが自然ではないかと。…第三者の術者もそれを狙っているのかもしれません」
妖怪が、人間を食べる…?
魂、血肉を好む…?
って、俺。
食糧?…食べられちゃうの?!
あまりのショックに、ぐらぐらと眩暈がした。