貴方との思い出
貴方との出会い

入社式

─────────高校卒業して最初の春。
私は、晴れて社会人になった。
この前まで、制服を着ていた私が、似合っていないスーツを着て、黒のパンプスを履き、出社する。

初日は、入社式に出席し、初めて見る顔ぶれにより一層の緊張と、この同期たちと頑張っていくんだという決意で、新鮮な気持ちだった。

社長のありがたいお言葉が済んで入社式も終わると、いよいよ、それぞれの配属先へ向かう。


(どんな職場だろう。)
なんて思っているうちに、これから、何年も勤めることになるであろう配属先に到着した。

「ふぅ、、、、よし!!」

ドアを開ければ、そこにはたくさんの上司や先輩たちがいた。

(こんなにいっぱい人がいるんだ。)

「お!新人ちゃん来たか!」
と、50代くらいの男性に手招きされ、
「みんな、こちらに注目してくれ!
さぁ、新人ちゃん、みんなに自己紹介を」

「は、はい!
瀬名 凛 《セナ リン》と申します!
色々と、ご迷惑おかけすると思いますが、これか
らよろしくお願いします!」

「よし!ではみんな、今日から瀬名さんが仲間になる
からよろしくな!私は課長の榊《サカキ》だ。
君の席はこっちだ。 」と案内してくれた。

そこには、40代くらいの男性と、20代中盤くらいの男性が迎えてくれた。

「瀬名さん、私が係長の田村です。よろしく。」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
(すごく物静かな雰囲気の人だ。)

田村さんに続いて、

「瀬名さん、これからよろしくね、俺、瀬名さんの指導係の三浦! 分からないことあったらなんでも聞いてね!」
「はい!ありがとうございます!よろしくお願いします!」

1番歳が近く、話しやすそうな雰囲気にほっとした。
、、、のは束の間、

「瀬名さん、いきなりなんだけど、この書類を封筒に入れる作業をおねがいしていいかな?」
と、三浦さんに書類と封筒を用意された。

きっと、何もわからない私のために、社会人としての初めての仕事を与えてくれたのだろう。

「はい!」
「そんな緊張しなくていいよ(笑)書類を3つ折りにして、そのまま封筒に入れてくれたらいいからね、」
「はい、わかりました!」

言われたとおり黙々と、作業をした。
ちらっと三浦さんを見れば、きっと若手で期待されているのか、数人の上司とむずかしい顔をしながら打ち合わせをしている。
そうこうしているうちに、私が任された作業は終わり、三浦さんへ報告にいった。

「あ、三浦さん、作業終わりました。」
「おう、ありがとね!こういった郵便物は、ここの棚に置いておけば、届けてもらえるからね」

こんな風に、細かい所まで教えてくれた。
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