戦国に散った華


















兄は最後に私を強く抱きしめて言ってくれた。




その腕はひどく震えていた。











泣いているんだと思った。









「兄上に助けてもらったこの命、必死に生きて生きて、全うします」









それ以上は何も言わなかった。

いや、何も言えなかった。

まだ生きていたい。


だけど言えないんだ、私たちのために。


敗族の嫡男として死なないといけないんだ、私たちのために。


























兄は満面の笑みだった
言葉で表せないような、美しい笑顔だった。
















----------兄上、私はあなたの分まで生ききれたのでしょうか。







私は浅井の姫として強くいれたのでしょうか・・・・・?
















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