。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
あたしたちが最初の飲み物を注文してから数分で
「お待たせいたしました!生ビールとオレンジジュースです!」
と叔父貴の前にジョッキに入ったビール、あたしが頼んだオレンジジュースが置かれて、
ふぅ、これでゆっくりメニュー表を見れる、と思ってたら
「追加のメニューお決まりですか?」とすかさず兄ちゃんが聞いてきて
「だぁかぁらぁ!!まだメニュー見てる最中だってんだ!どこに目ぇ付けてやがる!」
思わずキレると、兄ちゃんはびっくりしたように頭を下げ慌てて下がる。
「………朔羅…頼むから女らしくしろ」と叔父貴が額に手を当て、がくりと項垂れる。
すぐ隣のテーブルに座って談笑していたサラリーマン二人がぎょっとしたように目を剥きあたしを見てくる。
は!!やってしまった!
と、ここに来てようやく我に返った。
叔父貴よりあたしの方が先にキレるとか……
でも叔父貴は
「まぁお前らしいっちゃらしいが」と苦笑いを浮かべ、あたしのオレンジジュースのグラスにこつんとビールのジョッキを合わせて「乾杯」
その後はようやくメニュー表にたどり着けて、あたしは紙面に走るいっぱいの文字を目で追った。
「あ、あたしポテトフライ食べたい!」と言うと、同じようにメニュー表を眺めていた叔父貴が
「俺はタコわさと、刺身の盛り合わせ。あと、えいひれ」
とメニュー表を指さし、
「つまみばっかじゃん。そんなんで腹ふくれるの?」とあたしがちょっと笑い「オヤジくせー」と付け加えると
叔父貴は「むぅ!」と唸り
「じゃー、唐揚げも追加」とメニュー表を指さし。何張り合ってるんだよ(笑)あたしがメニュー表を彷徨っていた指を叔父貴の指先がほんの僅か触れて、あたしは慌てて手をひっこめた。
叔父貴は悲しそうに笑うと思いきや、あまり気にしてない様子で、そのことにちょっとほっ。
それでも
「女子高生に張り合うなよ~」とわざと空元気に言って、話題を変えた。