。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


予期せぬ突然のことで、朔羅は目を閉じるのも忘れたように目をぱちぱち。


次の瞬間


「おい!キョウスケだっているだるぉうが!」と小声で怒鳴ってきて


当のご本人が、ケータイを見ているのを目に留めると


朔羅はちょっと安心したように、ほっと息をついた。




響輔は意図して見ないようにしていたのだろう―――


「―――……ごめん」


響輔の手前あんまり大きな声で言えないのだろう、朔羅がちっちゃく言って俺のTシャツの裾を軽く引っ張ってくる。


「―――え?」


「いや……お前がさ、あたしに知らない所で何かしてるのかと考えちまって……」


ま、まぁ、当たってるだけに何も反論できないが。


「お前がいつもあたしのこと考えてくれるの、分かってるのに……ときどきやっぱ不安になる」


朔羅は響輔に聞こえないぐらいな小さな声で呟き、俺は朔羅の頭をぽんぽん。


「不安にさせて―――ごめんな」


もう一度謝って、今度は額にそっとキス。


ほんと、ごめん。


顔を遠ざけようとしたところで、朔羅と目が合い―――俺たちは、今度は自然に



キス。



朔羅と久しぶりにするキスは、ほんの少し


苦かった。



「あんまり人の前でイチャイチャせんといてください」


途中で響輔にべりっと引きはがされるまで、何度も角度を変えて口づけをしていた俺たち。


朔羅は白い頬をバラ色に染めて、恥ずかしそうに髪で顔を隠している。




―――ひとは守るものがあると弱くなる





ふと、タイガの言葉を思い出した。


確かに弱くもなるが、その分アクセルにもなる。守りたいから頑張れる。進める


今ならあいつにそう言ってやりたい。




< 133 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop