。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
予期せぬ突然のことで、朔羅は目を閉じるのも忘れたように目をぱちぱち。
次の瞬間
「おい!キョウスケだっているだるぉうが!」と小声で怒鳴ってきて
当のご本人が、ケータイを見ているのを目に留めると
朔羅はちょっと安心したように、ほっと息をついた。
響輔は意図して見ないようにしていたのだろう―――
「―――……ごめん」
響輔の手前あんまり大きな声で言えないのだろう、朔羅がちっちゃく言って俺のTシャツの裾を軽く引っ張ってくる。
「―――え?」
「いや……お前がさ、あたしに知らない所で何かしてるのかと考えちまって……」
ま、まぁ、当たってるだけに何も反論できないが。
「お前がいつもあたしのこと考えてくれるの、分かってるのに……ときどきやっぱ不安になる」
朔羅は響輔に聞こえないぐらいな小さな声で呟き、俺は朔羅の頭をぽんぽん。
「不安にさせて―――ごめんな」
もう一度謝って、今度は額にそっとキス。
ほんと、ごめん。
顔を遠ざけようとしたところで、朔羅と目が合い―――俺たちは、今度は自然に
キス。
朔羅と久しぶりにするキスは、ほんの少し
苦かった。
「あんまり人の前でイチャイチャせんといてください」
途中で響輔にべりっと引きはがされるまで、何度も角度を変えて口づけをしていた俺たち。
朔羅は白い頬をバラ色に染めて、恥ずかしそうに髪で顔を隠している。
―――ひとは守るものがあると弱くなる
ふと、タイガの言葉を思い出した。
確かに弱くもなるが、その分アクセルにもなる。守りたいから頑張れる。進める
今ならあいつにそう言ってやりたい。