。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



転んだ……??


あたしはマサの助けの元、ゆっくりと起き上がると、そこはあたしが最後に見た景色のまま、何も変わっちゃいなかった。


だが、あたしがタクとケータイで話していた場所は2階だ。でも目を上げた先に『F2』の表示があるから、あたしが居るところは一階ってことだよな。


二階から落ちて、でもあたし無事だったてこと?


にしちゃ、体のどこも痛くないし、今日ミラーハウスで負った怪我以外、それらしいものは見つからない。


驚異の生命力??


てか……あたし、タイガの野郎に突き飛ばされたんだ!!


あいつ!!天下の龍崎組のお嬢だと知ってるくせに!何しやがんだ!!


百倍返しで、東京湾に沈めてやる!


と歯軋りをしていたものの


はて?何で突き飛ばされたんだ?


喧嘩―――……はしてないよな。


それに、あいつがあたしに拳を振るうことはない。(流石にそこまで命知らずじゃねぇだろうし。だが階段から突き飛ばされたケドな!!まぁ??確証はないが)


と言うことはだ……あいつは手っ取り早くあたしを殺そうとしてたワケ!?


だけどそんな風には見えなかったし、殺意は感じられなかった気がする。


あいつが纏っていたのは殺気ではなく、





胸も押しつぶされそうな―――哀しみだった。




いや、実際分かねぇけどな。タイガの気持ちなんて。


そもそもあいつがあたしを突き落としたのかどうかも曖昧だ。


でも


あたしはそっと自分の口元に手をやった。



『僕は君が、とても大切だ。


守りたいと思ってる。



君は僕の




お姫様なんだから』



今考えたら、歯の浮くようなクッさい台詞だけど、朧げながら覚えている。


夢―――……?


なのか。


夢だとしても何でアイツの夢??


しかも…




あたし、タイガにキスされた!?





夢であってほしい。





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