恋人は社長令嬢
夜。 

仕事が終わって、某ホテルで、恋人を待つ那々香。

トントンと、ドアを叩く音がする。

那々香は一直線に、ドアへ向かう。


「那々香?」

相手が恋人だと確信すると、急いでドアを開ける。

「待たせたね、ごめん。」

「ううん。」

那々香は笑顔で飛びつくと、そのまま熱いキスを、彼に贈った。

「何?突然。」

「だって、久しぶりなんですもの。課長と…っと。」

那々香は、口を慌てて口を塞いだ。

「いいよ、課長でも。」

そう微笑んだ、那々香の恋人の正体は、那々香の上司。

大村 亮介。
【オオムラ リョウスケ】38歳。


「そんなの嫌よ…仕事中じゃあるまいし…」

那々香は、亮介の脱いだ上着を、ロッカーに掛ける。

「なんだか、まだ信じられないんだよね。君みたいな有能で美人な人が、もうすぐ40になる、家庭持ちの万年課長の恋人になってくれるだなんて……」

那々香は、亮介を背中から抱きしめた。

「また、そんなこと言う…」

「ごめんごめん。そういう言い方は、嫌いだったよね。」

「そうよ。私は、亮介さんだから……好きになったんだから……」


こちらは、《ある意味》危険な恋ですか。
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