消女ラプラス
第七章 焼け落ちた翼
アリス・ミィシェーレは、新鮮な空気に満ちたフランスのブドウ農家で生まれ育った。



一面に広がるブルゴーニュのブドウ畑で、アリスはよく母親とかくれんぼをした。

この地方のブドウ畑は背丈が低く群生するので、小さなアリスがかくれんぼをするにはうってつけだった。

アリスは背が低いので中々見つけられなかった。

おかげでアリスはかくれんぼで負けたことがほとんどなかった。

あまりに見つからないので一度、両親が二人がかりでアリスを探し回ったことがあった。

夕暮れ時、ようやく見つけたアリスはブドウの木漏れ日の下でスヤスヤと寝息を立てていた。

アリスは父親にこっぴどく叱られ、そして『ちゃんと見つかって良かった』と母親に抱きしめられた。

あの時のことは今でも忘れない。



彼女も両親に謝り、そして『ちゃんと見つけてくれてありがとう』と強く感謝した。
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