恋に負けるとき

振られる5分前の巻



放課後の教室。



二階の窓から外を眺めている渋谷。 



その表情はかたくて 




意識外の視界の中では




ちらほら下校する生徒の姿がうつる。



白みがかって見えるほど



明るい日差しのなか 



運動部のあげる砂ぼこり。    




俺の気持ちとアンバランスすぎて 



なんかめまいがしそうだ。
 


あれ?



昇降口の近くにいるの田所さんじゃん。



何か、委員会の集まり終わったらすぐ来るって



言ってたけど。



一緒に笑っている男、だれ?



良く見えないな。



あ、佐治じゃん…。



…嬉しそうだな。



何かいい雰囲気じゃね。



お似合いみたいな?



もしかして



全部



俺の勘違いだったのかな。



ほんとは、みんなにも



あんな風に、



笑ったり、照れたり。



あんな瞳で、見つめたりするんかな。




おれはただ




自分の願望強すぎて、



望みあるって、



俺のこと好きかもなんて



妄想ってただけなのかな。



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