エレベーター
肝試し
部活動や委員会のない生徒たちが帰宅すると、さすがに静けさが学校内に立ち込めていた。


それでも部活のある各教室からは人の話声が聞こえて来るし、グラウンドからは大きな声かけも聞こえて来る。


「さて、そろそろ行くか」


用事のない生徒たちが充分に帰宅した時間を見計らい、幸生が立ち上がった。


今まで4人で1年B組の教室にいたのだ。


外はオレンジ色に染まっていて、昨日と同じような光景が広がっている。


でも、今日は4人もいるのだ。


昨日のような気味の悪さを感じることはなかった。


つぎはぎにされた校舎のシミやジメジメとした空気も、昨日ほど気にならない。


病は気からというけれど、恐怖心だってきっと同じだ。


「放課後ってやっぱり怖いねぇ」


前を歩いていた一穂がそう言い、幸生にピッタリとくっついている。


幸生が今どんな顔をしているのかわからないが、ないがしろにしていないところを見るとやぶさかではないのかもしれない。
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