エレベーター
☆☆☆

あたしたちはもうエレベーターには近づかない。


古い校舎にも立ち入らない。


そう、決めたはずだった……。


「え?」


ふと気が付くと、あたしは1人で1年B組の教室にいた。


さっきまでみんなと一緒に最後のホームルームをしていたはずなのに、誰1人として教室に残っている生徒はいなかった。


あたしは慌てて立ち上がり廊下へ出た。


そこにも生徒たちは残っていなかった。


「なんで? あたし、いつの間にか寝ちゃったのかな?」


そう呟き、鞄に教科書やノートを詰めていく。


それにしてもおかしい。


一穂たちがあたしに声もかけずに帰るとは思えなかった。


眠っていたとしたら、なおのことだ。


一穂たちならきっとあたしを揺さぶり起こして『なに寝てるのぉ?』とからかってくるだろう。
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