クールな社長は懐妊妻への過保護な愛を貫きたい
 全面に広がった窓から柔らかい光が差し込んでおり、全体的にかなり明るい。ベッドかと思うほど大きなソファに、やはり大理石のテーブル。テレビはこの部屋にあると小さく見えるものの、電気屋で並んでいる一番大きなサイズより大きいのは間違いない。

 キャッチボールくらいなら平気でできそうな広さの部屋だった。
 カウンターと繋がったキッチンはあまり使われていないらしく、新品のように見える。夏久さんが選んだのか、置いてある家具は全体的にデザイン重視でセンスを感じさせた。

 夏久さんはきちんとどこになんの部屋があるのか教えてくれた。
 私室にしていいらしい部屋はやはり広く、すでにある程度整えられている。私が事前に送っておいた荷物もきちんと並んでいた。

「ここで寝ればいいんですか?」

 触れるのが怖くなるぐらいふかふかのベッドを見ながら言う。

「好きなところで寝ればいい。ここでも、ソファでも。……一応、寝室が続き部屋になってるが」

(私の部屋にベッドがあるなら、夏久さんの部屋にもあるよね。で、寝室も別にあって……。ひとり暮らしなのに、寝る場所が多すぎじゃない……?)
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